脳出血の基礎知識とリハビリ2025.07.04(金)
- 脳出血
こんにちは!埼玉脳梗塞リハビリベース、理学療法士の真中です。
リハビリコラム記事にて、リハビリ関連の情報をお伝えしていきます!
今回は「脳出血」の概要やリハビリについてまとめさせていただきます。
まず、脳出血と似たような病気で、脳梗塞や脳卒中という言葉を聞いたことがある方もいると思います。
混同しやすいので整理すると…
脳の血管の病気の中で、
①脳梗塞
②脳出血
③くも膜下出血
の3つをまとめて「脳卒中」と呼びます。
それなので、脳出血は、「脳出血」と呼ばれることもありますが、総称として「脳卒中」と言われることもあります。
また、脳梗塞とは別の病気ですが、症状は似ており、リハビリの仕方・考え方も共通していることが多いです。
【脳出血とは】
脳の血管が破れて出血し、脳の組織を圧迫してさまざまな障害を引き起こすタイプの脳卒中です。
くも膜下出血も、血管が破れて出血しますが、こちらは、脳のすぐ外にある「くも膜」という部分にある血管から出血した場合を指します。
脳出血でも、出血した場所によって以下の様に呼ばれたりもします。
①被殻出血(ひかくしゅっけつ)
脳の被殻という部位の血管からの出血で、脳出血のおよそ半数はこの被殻出血です。
被殻は運動の神経の通り道に近いので、ここの出血により半身麻痺(片麻痺)の症状が出ることが多いです。
②視床出血(ししょうしゅっけつ)
被殻出血の次に多いとされるのが、視床という部位での出血です(脳出血全体の約30%)。
出血の大きさなどにもよりますが、運動麻痺、感覚障害、意識障害などの症状が出ることが多いです。
③皮質下出血(ひしつかしゅっけつ)
大脳の皮質下(脳の外側の部位)の出血です。
前頭葉での出血なら注意力や意欲の低下、後頭葉なら視野障害など、部位により生じやすい症状は異なります。
④小脳出血
大脳の下に位置する、小脳での脳出血です。
小脳は、筋肉の力加減の調整や、平衡感覚などのバランス機能を司るので、小脳出血による力加減の調整やバランス能力が低下しやすいです。
⑤脳幹出血
大脳や小脳と脊髄を繋ぐ部位の出血です。
多くの神経がまとまって通る、神経の通り道でもあるので、脳幹の中の出血部位により様々な症状が生じます。
上記のように、脳出血は、出血した部位により別の名称で呼ばれる場合もあります。
【初期治療とその後】
初期治療として、出血量が多ければ、頭蓋骨に穴を開けて血を吸い出す手術などを行う場合があります。
手術をしない場合は、それ以上出血が拡大しないように薬などを投与して経過を診ていきます(保存療法)。
出血が止まり、身体の状態がある程度落ち着いたら、麻痺などの後遺症に対する本格的なリハビリに移ります。
後遺症については、どの種類の脳出血でも、麻痺をはじめとした様々な症状(感覚障害、言語障害、嚥下障害、高次脳機能障害など)が起こる可能性があります。
【なぜ後遺症が残るのか?】
「治療がうまくいって脳の出血はおさまったと聞きました。少しすれば麻痺とかの症状もなくなりますか?」
脳出血により入院した患者さんやご家族から、時折このような質問をいただきます。
これについては、「後遺症がほとんど残らない場合もあるし、そうでない場合もある」といったお答えになります。
そもそも、「脳の出血によりなぜ麻痺などの症状が出るのか?」をご説明します。
脳出血になって手足などが麻痺する機序を正確に説明お伝えすると
1.脳出血になる(脳の血管が破れて血液が溢れ出す)。
2.出血した血液によって、周辺の神経が圧迫されたり、損傷する。
3.その神経が司っていた機能(手を動かす、足を動かす、言葉を聞く・話すなど)が低下する。
となります。
つまり、「出血する=麻痺になる」ではなく、出血によりその周辺の神経がダメージを受けることで麻痺が起こります。
そのため、出血が止まっても、神経のダメージが残っていると後遺症が残ってしまうのです。
この神経のダメージ具合は、出血した場所や出血の大きさによっても変わってくるので、人によっても後遺症の程度や種類も異なってきます。
【神経の回復を促す手段“リハビリ”】
脳出血のリハビリでは、ダメージを受けたり働きが弱くなった『神経』の回復を促すことが重要になります。
そして、最終的には『実際の動き』を改善して、生活をより良いものにしていくことに繋がらなければなりません。
そのためには、いわゆる「体操」「筋トレ」をしているだけでは不十分です。
神経の回復のためには、ただガムシャラに運動すると逆効果の場合もあります。
脳出血のリハビリで大切なことは、正しい動き方を、たくさんの時間行っていくことです。
1人ひとりの症状に合った適切な治療を、専門家が行っていくことが重要です。
では、今現在、 そのようなリハビリがきちんと行えているのか?
残念ながら、必ずしも “Yes” とは言えません。
保険制度によるリハビリの提供には限界があるからです。
【保険制度によるリハビリの限界】
我が国では、医療保険制度や介護保険制度により、リハビリなどの医療・介護サービスが一定量受けられるようになっています。
自己負担が少なくリハビリを受けられる、とてもありがたいシステムですよね。
しかし、このような社会保障制度には限界もあって、全ての人のニーズを満たすことは難しいのも事実です。
実際、脳出血の後遺症に悩む方々からよく聞かれるのは、
「もっとたくさんリハビリを受けたい」
「今よりさらに効果的なリハビリを知りたい」
などの言葉です。
また、リハビリの専門家にも、
「保険制度に縛られず、必要な分のリハビリを提供していきたい!」
このように考える人も多くいます。
そして、その想いから、 医療保険・介護保険の次の第三の選択肢として、「自費でのリハビリ」を提供する施設が増えています。
【自費リハビリ】
保険の枠に捉われない自費のリハビリですが、必ずしも全員が利用すべきとは思いません。
しかし、自費のリハビリは、保険ではカバーしきれない手厚いサポートを行うことができます。
「自分には自費のリハビリがあった方がいいの?」
「どんなリハビリが受けられるの?」 と気になった方は、
ぜひお住まいの地域の「自費リハビリ」を調べて問い合わせをしてみてください。
施設によって、低価格でのリハビリ体験などを実施している場所もあるので、まずはお試しいただくことをオススメします。
【理学療法士コメント】
埼玉脳梗塞リハビリベースうちリハは、脳血管障害やパーキンソン病、整形外科疾患のリハビリを、医療・介護保険内では補いにくい「時間」を提供しています。また、保険診療サービスを受けている方も併用してご利用されています。ご利用者様の多くは、「もっと時間を使って集中的にリハビリを受けたい」という想いがあり、そこにある目標達成に向けてリハビリを通してサポートしていく自費リハビリ施設となっています。
私が見ているご利用者様の方は、「手のリハビリをしたい」「歩いて〇〇まで行きたい」という目標を持ってリハビリに取り組まれております。ですが、最初から目標が明確にある方が多い訳でもありません。それでも、リハビリを通じて動きが変わっていくことで目標が出てきたり、自発的に「〇〇をしたい」という声が上がってくることも増えています。私達が提供しているリハビリは「きっかけ作り」だと考えています。
その「きっかけ作り」を提供していく中で、「姿勢制御の観点」「物品の特性を生かしたアプローチ」「片麻痺の身体を環境に適応させていく為のアプローチ」「対人との関係性の中で感じる心理的側面」など様々な視点を意識しています。それらによって、ご利用者様へ個別性に富んだオーダーメイドなリハビリを提供しております。
目標達成には、私一人が一生懸命にリハビリを行っても変化は作りにくいと思います。その為には、ご利用者様の意欲はもちろん、ご家族の協力や担当ケアマネージャー様の応援や励みなどによって、よりリハビリの力を発揮していくと実感しております。そして、ご利用者様が叶えたい目標を達成する為に、一緒に考え、動きを引き出し「きっかけ作り」が出来るように一緒に頑張っていきましょう。
当施設、『埼玉脳梗塞リハビリベースうちリハ』では、初回は無料でリハビリを体験いただくことが可能です。
リハビリ体験を受けていただくことで、自費のリハビリが必要そうか、ご利用いただいた場合に目指せそうな目標なども具体的に考え、 お伝えすることが可能です。
埼玉県および群馬県から、多くの方にご利用いただいております。 ご自宅に伺う「訪問リハビリコース」もご用意し、様々な方のニーズにお応えすべく、スタッフ一同リハビリに励んでいます。
気になる方は、初回無料リハビリ体験のお問い合わせページよりご連絡ください