疼痛に向き合うリハビリ2025.08.20(水)
- リハビリの基本
1. はじめに
埼玉脳梗塞リハビリベースうちリハ 理学療法士の重松です!
「痛み」というのは、生活の質(QOL)を大きく低下させる要因となりますし、リハビリを行う上での難敵でもあります。
「動くと痛いから動かさない」という悪循環は、慢性的な痛みを抱える方によく見られます。
もちろん、痛みに対して、安静にした方が良いという場合もありますが、痛みのメカニズムを正しく理解し、身体だけでなく心理面にも配慮したリハビリを行うことで、痛みの軽減や動作改善が可能な場合もあります。
今回は、そんな痛み(疼痛)に関して、リハビリの視点も絡めてまとめていきます。
2. 疼痛のメカニズム
疼痛は大きく分けて侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、中枢性感作、心理的要因による疼痛があります。
(1)侵害受容性疼痛
- ケガや炎症など、組織の損傷によって痛み信号が発生
- 例:打撲、関節炎、骨折後の痛み
- 原因組織の回復に伴い、痛みも軽減する傾向
(2)神経障害性疼痛
- 神経そのものの損傷によって起こる痛み
- 例:脊髄損傷後、帯状疱疹後神経痛、坐骨神経痛
- 刺激がなくても痛みを感じることがある
(3)中枢性感作
- 脳や脊髄の痛み信号処理が過敏になった状態
- 軽い刺激でも強い痛みを感じる
- 慢性疼痛に多く見られ、痛みの悪循環を生みやすい
(4)心理的要因による疼痛
- 不安、うつ、ストレスなどの心理的要因が痛みを増強させる
- 痛みに対する恐怖心(恐怖回避思考)が動作制限を招く
- 「動くと悪化するのでは」という思い込みが痛みを長期化させる
3. 痛みと動作・心理の関係
痛みがあると体は自然にその部位をかばいます。
結果として使わない筋肉が弱り、関節の可動域が減少し、さらに動かしにくくなります(廃用症候群)。
さらに心理的な不安や恐怖が加わると、「動かさない → 体が弱る → 痛みが強まる → さらに動かさない」という悪循環が加速します。
4. 効果的なリハビリのポイント
(1)原因の見極め
- 身体的・心理的要因の両面から評価
- 医師・理学療法士・心理職が連携して方針を決定
(2)痛みの閾値を上げる運動
- 軽度負荷から始め、徐々に動作範囲や強度を拡大
- 筋力・柔軟性の向上が痛みに強い身体を作る
(3)心理面へのアプローチ
- 認知行動療法的手法で「動いても大丈夫」という成功体験を積む
- リラクゼーションや呼吸法で緊張を和らげる
- 痛みに対する正しい知識を提供し、不安や恐怖を軽減する
(4)日常生活動作の改善
- 正しい姿勢や関節の使い方を習得
- 家事・買い物などの生活動作に運動を組み込む
5. 当施設での取り組み
当施設では、疼痛を抱える方に対し、
- 詳細な身体評価と心理面のヒアリング
- 痛みを考慮した低負荷運動プログラム
- マンツーマン指導による動作・姿勢改善
- 不安軽減やセルフケア方法の指導
を行っています。
「痛いから動けない」から、「動けるから痛みが減る」へ──身体と心の両面からサポートします。
6. まとめ
- 疼痛には身体的・神経的・中枢性・心理的な要因がある
- 痛みをかばうと廃用が進み、さらに痛みが悪化
- 心理的要因が痛みを長期化させるケースも多い
- 身体面と心理面の両方にアプローチするリハビリが効果的
痛みに悩む方は、まずは原因分析とマンツーマンの運動から始めましょう
埼玉脳梗塞リハビリベースうちリハでは、初回は無料でリハビリを体験いただくことが可能です。
リハビリ体験を受けていただくことで、自費のリハビリが必要そうか、ご利用いただいた場合に目指せそうな目標なども具体的に考え、 お伝えすることが可能です。
埼玉県および群馬県から、多くの方にご利用いただいております。 ご自宅に伺う「訪問リハビリコース」もご用意し、様々な方のニーズにお応えすべく、スタッフ一同リハビリに励んでいます。
気になる方は、初回無料リハビリ体験のお問い合わせページよりご連絡ください。