【リハビリ実施体験記】麻痺手を使えるようになったAさん2025.09.10(水)
- 脳出血
こんにちは!埼玉脳梗塞リハビリベースうちリハ 真中です!
【体験記】ということで、僕が今までに経験したことで、「これはいろんな患者さん・利用者さんに役立ちそうだな」と感じたことを書かせていただこうと思います。
今現在、リハビリについて悩んでいる方に少しでも参考になれば幸いです。
今回は、僕が保険外リハビリ(自費リハビリ)に携わり始めた初月にお会いし、そこからリハビリを担当したAさんという70代の女性についての体験記です。
退院して数年経過、手のリハビリはほとんど受けてこなかったAさん
僕が担当させていただいたAさんは、5年程前の脳出血により左手足の麻痺の後遺症が残った方でした。
脳出血発症後、病院での数ヶ月間のリハビリを経て自宅退院。
退院後は、デイサービスに通って体力維持にも努めながら、日常の生活は概ね自立して過ごされていました。
介護保険でのリハビリサービスを利用されていましたが、なかなか本格的な手のリハビリを受けられる場所はなかったとのことで、普段の生活でも麻痺の手はほとんど使うことはなく、右手だけを使って生活をしていました。
その後、近所に当施設があることを知り、手のリハビリができるということでお問い合わせいただきご利用開始となりました。
自費リハビリ開始、硬い左手
利用開始時、左の肘・手は曲がったまま硬くなっていて、僕が力を込めてストレッチすることでやっと少し肘や指が伸びる状態でした。
ご自身で左手を動かしてみてもらうと、僅かですが親指や肘、肩の動きが確認できました。
麻痺が重度だと難しいような、指や肘を伸ばす動きや胸・肩を開くような動きも少し見られました。
僕が感じたことは大きく2つ。
・麻痺はあるけど、良い動きは見られている。
・関節をほぐして動かす練習をすれば、生活上で少し使えるようになるかも知れない。
ということでした。
長年の経過で左手の関節はかなり硬くなっていましたが、時間をかけてリハビリをすれば、もう少し使えるくらいの潜在能力はあると思ったんです。
時間をかけて根気よくリハビリ
週1回、60分間のリハビリで、筋肉や関節を入念にほぐした上で、動かせる範囲での運動から始めました。
最初は、僕の手助けも伴いながら、小さいボールの握り離しや杖を前後に動かす運動などを繰り返し行い、少しずつ肩・肘・手の関節をご本人でも動かせるようにしていきました。
長い期間動かしていなかった分、関節はかなり硬かったですが、それでもコツコツと改善が見られて、僕も利用者さんご本人も毎週のちょっとした変化に喜びながら一緒にリハビリを行っていきました。
Aさんの前向きな気持ちと頑張り
利用開始から1ヶ月ほど経つ頃、Aさんの表情が以前よりも明るくなってきたことに気づきました。
左手の動きが少し良くなり、ご本人もそれを実感して、リハビリにも一層前向きに取り組めるようになってきていました。
ご自宅でできるストレッチや運動もバッチリとこなし、「今週はこれだけやってきました」と笑顔で伝えてくれるようになりました。
日常生活に良い変化
2ヶ月が過ぎたころ、試しに「洗い物の時にお箸を左手で持つ」という課題にチャレンジしてみました。
結果、ぎこちないながらも左手でお箸を持つことができて、その時は僕も本当に嬉しくて2人で一緒に喜びました。
そこから、ご自宅でも左手を使ってご自身や旦那さんの箸を洗うようになり、他の生活場面でも左手が使えそうなことを話し合いながら進めていきました。
3ヶ月・4ヶ月とリハビリを継続する中で、袋を縛る、炒め物をする時にフライパンを持つ、洗濯物を畳むなど、主に家事の中で、左手でできることをどんどん見つけて実践していきました。
これらの家事は、脳出血になった後はほとんど行わなくなっていたそうで、今回の左手の改善を機にまた再開され始めたということでした。
他にも、車に乗る時に、左手も使うことで家族の手を借りずにシートベルトを締められるようになったりと、生活でできることが増え、ご本人・ご家族もとても喜ばれていました。
4ヶ月間集中的にリハビリを実施して卒業となり、その後は月に1度のフォローアップコースをご利用いただき、定期的に様子を確認させていただいています。
Aさんの変化と僕の役割
Aさんは、麻痺の手の改善を通して、生活にも良い変化が見られました。
また、途中から表情も明るくなって、麻痺の手が使える場面も積極的に探すなど、どんどんリハビリに前向きに取り組まれるようになりました。
ここからは僕の推測も含みますが、利用開始当初は、Aさんもリハビリに半信半疑な思いもあったんじゃないかと思います。
希望は持ちつつも、「本当に良くなるの?」という思いもあったのではないかと、表情ややりとりから感じていました。
そんな中で、コツコツと改善があり、Aさん自身もそれに希望を見出して、頑張ることができるようになっていたのではと思います。
もちろん、Aさんご自身が一生懸命に取り組んでいただいたというのが何より重要なんですが、そのきっかけとして、専門的な視点で時間をかけてリハビリを行うことが必要だったと思います。
Aさんの場合、硬い手をほぐすだけでも20〜30分が必要でしたし、ほぐした直後だったからこそ運動も行えました。
その運動のやり方も、理学療法士である僕が良し悪しを見極めながら一緒に行ったことが改善に繋がったのだと思います。
リハビリに取り組むのはご本人ですが、Aさんを初め多くの方が「どうしたら良いかわからない!」と悩んでいると思います。
専門家として、適切なやり方をお伝えしたり、できそうなこと・可能性を一緒に見つけていくこと、時間をかけて隣で一緒に頑張っていくことが僕にできる役割だなと感じられる経験でした。
必要な方に必要なリハビリを届けられるように
僕は、もともと介護保険のリハビリ(通所や訪問のリハビリ)に従事してきました。
そういった経験も踏まえて、必ずしも全ての方に保険外のリハビリが必要とは思いません。
ですが一方で、「保険のリハビリだけでは十分に応えることが難しい!」と思う場面も多くあります。
保険外のリハビリを通して、専門家が時間をかけて向き合うことで改善が見込める方も多くいらっしゃると思います。
「良くなりたい!」「まだ諦められない」「自分に可能性があるのか知りたい」
そんな方はぜひ一度、保険外のリハビリもご検討ください。
埼玉脳梗塞リハビリベースでは、初回無料リハビリ体験も実施しています。
まずは伸び代があるかどうか、実際に利用したらどんなことをやるのか、お気軽にご相談にきてください!