歩行の安定性を高めるために大切なこと|◯◯機能を鍛えるリハビリのすすめ2025.08.05(火)
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こんにちは!埼玉脳梗塞リハビリベースうちリハ 理学療法士 真中です。
「歩くとふらついて怖い」「つまずきやすくなった」「歩く距離が短くなってきた」
こんなお悩みはありませんか?
歩行の安定性は、日常生活の自立度を大きく左右する要素のひとつです。とくに脳卒中やパーキンソン病の後遺症がある方、高齢による体力低下を感じている方にとって、「しっかり歩ける」ことは大きな目標であり、生活の質を守るカギでもあります。
この記事では、「歩行の安定性を高めるポイント」について解説し、その中でも重要な役割を果たす、とある機能にフォーカスします。自宅でできる工夫や、自費リハビリでできるアプローチもご紹介します。
歩行の安定性を高めるには?
以下の3つのポイントが、安定した歩行には欠かせません。
- 体幹の安定性
- 下肢の筋力と可動性
- 視覚・前庭感覚・深部感覚の統合
この中でも、体幹の安定性は、歩行時のバランスを保ち、上肢・下肢の動きをスムーズに連動させる「軸」となる存在です。
とても大切な体幹の機能ですが、「歩行の安定性」を考える時に、多くの方は下肢に着目しがちです。
「足が弱いからふらついちゃう」
「もっと足の支えが効けばね」
というふうにおっしゃる方が多くいて、足を鍛える意識の強い方はいらっしゃいます。
そこにも課題があるのかも知れませんが、体幹機能も同じかそれ以上に重要です。
仮に、下肢の機能の向上が限界だったとしても、体幹を鍛えることで歩行の安定性が向上する可能性は多いにあります。
僕のリハビリ経験上でも、脳卒中やパーキンソン病の方のほぼ全員が、体幹機能に何らかの課題を抱えていて、体幹機能を鍛えることで歩行や生活動作の安定性の向上が見られています。
体幹機能が歩行に与える影響
体幹機能と歩行の関係について、もう少し詳しくお伝えします。
体幹とは、胴体部分、つまり腹部・背中・骨盤周囲の筋肉のことです。体幹が弱っていると、ふらつきや姿勢の崩れが起きやすく、結果として「歩行が不安定になる」「転倒しやすくなる」といった問題が起こります。
歩行という動作は、ただ足を前に出す運動というわけではなく、体幹(胴体部分)が常に働いて、全身のバランスを調整しています。
1. 重心の安定を支える「軸」としての役割
人は歩行中、片足立ちの時間が交互に繰り返されます。このとき、重心が左右に揺れやすくなります。
体幹の筋肉がしっかり働いていないと、身体が左右にぶれて、ふらつきや転倒のリスクが高まります。
逆に、体幹がしっかりしていると、片足になったときも重心を中央に保つことができ、ブレずに一歩を出すことができるのです。
とくに高齢者や脳卒中後遺症がある方では、この「軸」が弱っていることが多く、それが歩行の不安定さにつながっています。
2. 四肢(手足)を効率よく使うための土台になる
腕や脚の筋力がどれだけ強くても、体幹が不安定だとその力を十分に発揮できません。
たとえば歩行中、足を前に出すときには、股関節まわりだけでなく、腹筋・背筋の働きによって身体全体が前方に進むように調整されています。
つまり、体幹は手足をうまく使うための「安定した土台」なのです。
体幹がぐらついている状態では、脚の動きに余計な力が必要になり、疲れやすく、ぎこちない歩行になってしまいます。
3. 姿勢の維持と視線の安定に直結する
体幹の筋肉がしっかり働いていると、自然と「背筋が伸びた姿勢」になります。
良い姿勢は、足の動きをスムーズにするだけでなく、頭の位置や視線を安定させる効果もあります。
視線が安定すると、周囲の情報(段差や障害物)をしっかり把握できるようになり、転倒リスクの軽減にもつながります。
逆に、体幹が崩れて頭部が左右に揺れていると、バランス感覚が乱れ、歩くことそのものが怖く感じられる方もいます。
4. 歩行時の回旋動作を生み出す原動力
人の歩行は、実は「ひねる動き(回旋)」を含んでいます。
右足を前に出すときには左腕が前に出るように、体は自然とひねりながらバランスを取っています。この回旋動作の中心が、まさに体幹です。
回旋がうまくできないと、歩行はぎこちなくなり、左右対称な動きが崩れてしまいます。
とくにパーキンソン病の方では、この体幹の回旋が硬くなりやすいため、小刻み歩行や前のめりなどの特徴的な歩き方が出やすくなります。
体幹を鍛える具体的なリハビリ例
体幹機能は、適切なリハビリによって十分に鍛えることができます。以下は、当施設でも実施している代表的な体幹トレーニングの一例です。
◆ 背骨・骨盤を動かすトレーニング
仰向けや椅子に座った状態で、背筋を伸ばす・丸める、骨盤を起こすなどの運動を行います。体幹周りの筋肉全般を活性化します。
◆ 上体ひねり運動
体幹を使って上体を左右にひねる動作。歩行中の体の回旋動作に必要な筋群を活性化します。
◆ ブリッジ運動(臥位での骨盤挙上)
仰向けになって膝を立て、お尻を持ち上げる運動。お尻や背中の筋肉を使いながら、骨盤周りの安定性を高めます。
◆ 寝起きなどの姿勢変換練習 うつ伏せや四つ這い姿勢
生活上で必要な動作・姿勢を通して体幹を鍛えることができます。手の支えなどになるべく頼らず、脇腹やお尻の筋肉を使うなど、正しい方法を身につけることで生活にも活きていきます。
◆ その他 重心移動に伴う体幹運動・姿勢調整
例えば、座ったまま遠くに手を伸ばすなど、動作の中で体幹の働きを促していきます。
これらはごく一部の例ですが、体幹機能の評価と個別性に合わせた運動メニューの設定がとても大切です。
自費リハビリなら、体幹機能への個別アプローチが可能
保険制度の中では、時間や内容に制限があることも少なくありません。一方で、自費リハビリでは、マンツーマンでの充実した訓練や、歩行分析に基づいた個別プログラムの提案が可能です。
当施設では、歩行の安定性を高めたい方に向けて、以下のようなサービスを提供しています。
- 歩行時の姿勢や動きを動画で分析
- 体幹機能の評価と訓練計画の立案
- 自主トレーニングの提案とフォローアップ
- 生活場面に即した歩行指導(屋外・階段など)
まとめ|「歩く」力を、もう一度あなたに
歩行の安定性を高めるには、体幹の働きを見直すことがとても重要です。筋力やバランス訓練も大切ですが、それを支える「体幹」という土台がしっかりしていなければ、安定した歩行にはつながりません。
「ふらつくのが不安」「もっとしっかり歩けるようになりたい」
そんなお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。
当施設では、脳卒中・パーキンソン病に特化したリハビリを専門スタッフがマンツーマンでサポートいたします。歩行の不安を解消し、安心して外出できる日常を目指しましょう。
埼玉脳梗塞リハビリベースうちリハでは、初回は無料でリハビリを体験いただくことが可能です。
リハビリ体験を受けていただくことで、自費のリハビリが必要そうか、ご利用いただいた場合に目指せそうな目標なども具体的に考え、 お伝えすることが可能です。
埼玉県および群馬県から、多くの方にご利用いただいております。 ご自宅に伺う「訪問リハビリコース」もご用意し、様々な方のニーズにお応えすべく、スタッフ一同リハビリに励んでいます。
気になる方は、初回無料リハビリ体験のお問い合わせページよりご連絡ください。